10/23/2008
Arduino書籍:「Getting Started with Arduino」
「Getting Started with Arduino」
Arduinoの本「Getting Started with Arduino」が、日本のアマゾンからも購入(予約購入)できるようになりました。
その他、Arduino関連の本であれば、主に以下のようなものがあります。
・「Making Things Talk」
・「Physical Computing: Sensing and Controlling the Physical World with Computers」
ラベル:
arduino
Arduino-Processing BlueTooth通信+曲げセンサ
以前、ワイヤレス通信としてXbeeモジュールを用いましたが、もう一つワイヤレス通信として「BlueTooth」を用いる方法があります。今回は、SparkfunのBlueToothモジュール「BlueSmiRF Gold」を使います(国内ではストロベリーリナックスで販売)。Xbeeは3.3V電源を使用しますが、「BlueSmiRF Gold」は3.3V〜6.0Vまでの電源を使うことができるので、そのままArduinoにも接続しやすい仕様となっています(ただし、日本において、「BlueSmiRF Gold」は技術基準適合証明を受けていないため、実験や開発用のみで使用しなければならないようです)。Xbeeの場合は最低でも二つのモジュールを用意しなければ通信実験できないのですが、多くのノートパソコンにはBlueToothが搭載されているので、一つのBlueToothモジュールがあれば、とりあえずコンピュータから送受信することができます。
(上画像:「BlueSmiRF Gold」/from Sparkfun)
今回は、Arduino基板に曲げセンサと「BlueSmiRF Gold」を接続し、コンピュータのBlueTooth機能を利用して、Processingとワイヤレスでシリアル通信してみます。曲げセンサについては、2本を背中合わせに貼り合わせて、まっすぐな状態から両方向に曲げて出力値が変化するように加工します。
「コンピュータとのBluetooth接続設定」:
まず、「BlueSmiRF Gold」とコンピュータのBluetoothの接続設定を行います。
「BlueSmiRF Gold」には以下のように6本の端子があります。
CTS:送信要求端子(非接続またはRTS端子へ)
PWR:電源端子(Arduino 5V端子へ)
GND:グランド端子(Arduino GND端子へ)
TX :送信端子(Arduino RX:0番端子へ)
RX :受信端子(Arduino TX:1番端子へ)
RTS:受信準備完了端子(非接続またはCTS端子へ)
「BlueSmiRF Gold」のPWR端子とGND端子をArduinoの5V端子とGND端子に接続し、USBを通して電源供給します(あるいは、外部電源でもかまいません)。そうすれば、「BlueSmiRF Gold」の赤色のLEDが点滅し始めます。他の端子については、今のところ接続する必要はありません。
MacOSXの場合、
・メニューバー右端のBluetoothアイコンをクリック。
・「Bluetooth:入」を選択し機能をオンにする。
・さらに「Bluetoothデバイスを設定...」を選択する。
・「Bluetooth設定アシスタント」の画面が現れる。
・「続ける」を押していき、「任意のデバイス」を選択。
・デバイスが検索されたら「パスキーオプション」を押す。
・「このデバイスではパスキーを使用しない」を選択し「OK」を押す。
・「続ける」を押していき、最後に「終了」を押して完了。
Windowsの「Bluetooth設定」の場合、
アプリケーションを立ち上げて「新しい接続」を押します。「新しい接続の追加ウィザード」の画面で、「エクスプレスモード」を選び「次へ」を押し、「FireFry-D39A」というようなデバイス名で「BlueSmiRF Gold」を認識します。「次へ」を押すとポートが「COM40」あたりに設定されます。設定されれば以下のような画面になります。
「FireFry-D39A」を選択しダブルクリックすれば「接続」しますが、ここでは「接続」せず「ハイパーターミナル」上で「接続」することにします。
Bluetoothが内蔵されていないコンピュータの場合は、以下のようなBluetooth USBアダプタをコンピュータに接続する必要があります。
「Zterm/ハイパーターミナルの設定」:
「BlueSmiRF Gold」の赤色のLED点滅が緑色のLED点灯に変われば通信接続されたことになります。
ただし「BlueSmiRF Gold」のデフォルトの通信速度(ボーレート)が115200bpsであるため、9600bpsに設定し直すことにします。そのためには、「BlueSmiRF Gold」の内部設定をATコマンドによって変更します。ATコマンドを使うには、MacOSXなら「ZTerm」、Windowsなら「ハイパーターミナル」などのターミナルアプリケーションを使って送信すると便利です。
「BlueSmiRF Gold」を電源に接続し、コンピュータのBluetooth接続設定をした後、「ZTerm」(MacOSX)あるいは「ハイパーターミナル」(Windows)を起動します。
MacOSXの場合:
ZTermのDial>Directry...を選択すると以下の画面が現れます。
「Dial Directory」画面上の「New」ボタンを押すと以下のような別画面が現れます。
「Service Name:」の欄に任意名を記入します。「Local Echo」にチェックを入れます。その他は上のような設定でも大丈夫です。「OK」ボタンを押します(「Dial Directory」画面上の中央上の「Connection」ボタンでこの画面に戻ることができます)。
「Settings>Terminal...」あるいは「Dial Directory」画面上の「Terminal」ボタンを押すと以下の画面が現れます。
上のような内容で設定し「OK」ボタンを押す。
次に、「Settings>Modem Preferences...」を選択すると以下の画面が現れます。
ここで、画面上段の「Serial Port:」がBluetoothのシリアルポート(「/dev/tty.FireFly-D39A-SPP-1」など)になっているか確認してください(なっていなければ選択する)。「OK」ボタンを押し、「Dial Directory」画面に戻ります。「Dial」ボタンを押して通信接続します。接続中は、「BlueSmiRF Gold」の緑色のLEDが点灯します。接続されない場合は、「BlueSmiRF Gold」の電源を入れなおすか、「Zterm」を再起動してみてください。
Windowsの場合:
ハイパーターミナルを立ち上げます。
この画面上で、「名前:」に接続名(任意名)を記入し、「OK」を押します(次回接続するときは、「キャンセル」を押し、メニューバーの「ファイル>開く」から保存した設定ファイルを選択してください)。
「接続方法:」の欄で、先ほどの「Bluetooth設定」で割り当てられたポート「COM40」を選択し「OK」を押します。
「ビット/秒:」を「9600」、「フロー制御」を「なし」、「適用」と「OK」を押します。
この設定ウィンドウが閉じると自動的に接続が開始されますが、メニューバーの「通信>切断」で通信を中断し、「ファイル>プロパティ」をクリックし、以下の画面を出します。
「ASCII設定」ボタンを押すと、さらに以下の画面が現れます。
上画像のようにチェックをいれます。「OK」を押して戻ります。
メニューバー「通信>電話」をクリックし、通信を開始します。
通信が開始されれば、「BlueSmiRF Gold」の緑のLEDが点灯します。
後は、ATコマンドを入力していきます。
「ATコマンド入力/通信速度の設定変更」
コンピュータ側のBluetoothと接続され、「BlueSmiRF Gold」の緑色のLEDが点灯すれば、以下のようにATコマンドを入力していきます。
ドルを三回(最後にリターンキーは押さない)を入力すると「CMD」という返事が表示され、ATコマンドモードに切り替わり、緑のLEDが点灯しつつ赤いLEDが点滅し始めます。
注意しなければいけないことは、「BlueSmiRF Gold」にはタイマー機能(デフォルト:60秒)があり、電源を入れてから60秒以内に「$$$」を入力する必要があります。時間切れになると、赤いLEDの点滅速度が遅くなります。「CMD」が表示されなかったり、赤いLEDが高速に点滅しないときは、一旦通信を切断し、「BlueSmiRF Gold」の電源を切って再接続した後、60秒以内に再度「$$$」を入力してみてください。あるいは、以下のように、このタイマー機能の時間を設定し直すことも可能です。
を入力し「リターンキー」を押せば、タイマーを100秒に設定することができます(「ST,」の後に数値を入れることで制限時間を設定できます)。ただし、「ST,」の後に「0」を入力すると「遠隔設定不可」、「255」を入力すると「時間制限なし」になります。
通信速度(ボーレート)を9600に変更するには、
を入力し「リターンキー」を押します(「SU,」の後にボーレートの最初の2桁を入力、9600の場合「96」、4800の場合「48」を入力)。「AOK」が表示されれば、変更されたことになります。変更内容を確認するには、
を入力し「リターンキー」を押します。そうすると各設定が以下のように表示されます。
「Baudrt=9600」になっているので、通信速度(ボーレート)は9600に変更されています。ATコマンドモードを終了するには、
というように、ハイフンを3回入力し、「リターンキー」を押してください。そうすると「END」という返事がきます。
その他のコマンドについては、
http://www.sparkfun.com/datasheets/RF/RN_BlueportII-ref-guide.pdf
に書いてあります。「BlueSmiRF Gold」の基本設定は以上です。
尚、「ZTerm」やATコマンド入力については、「Arduino+Xbee Shield/Processing+XBee Explorer USB」においても説明があります。
(「ZTerm」のATコマンド入力画面)
「曲げセンサの接続方法」:
次は、曲げセンサについてです。通常、曲げセンサはまっすぐな状態の時に抵抗値が低く、曲げると抵抗値が高くなる特性があります。反対方向に曲げてもそれ以上抵抗値は変化しないので、曲げる方向は一方向に限られてしまいます。2本の曲げセンサを背中合わせに貼り合わせて1本として使えば、まっすぐな状態からどちらの方向に曲げても抵抗値が変化するようになります。曲げセンサの通電性のある面を外側にし、両面テープなどで貼り合わせ、それぞれの端子の部分は互いにショートしないようにビニルテープや熱収縮チューブなどで絶縁しておきます。
ひとつの曲げセンサにプルアップ抵抗(10KΩ)を取付け、もうひとつの曲げセンサにはプルダウン抵抗(10KΩ)を取付けます(プルアップ/プルダウン抵抗については「センサについて」を参照)。そうすることで、一方へ曲げると読み取られる電圧は下がり、逆方向へ曲げると電圧が上がるようになります。それぞれ読み取った値をプログラム上で合成しProcessingへ送信します。Arduinoのアナログ入力analogRead()で読み込むと、一方の値が約200~500に変化し、もう一方が約500~800に変化するので、合成すると約700~1300前後で値が変化することになります。まっすぐな状態のときは、約1000前後になります。
ちなみに、「Bi-directional Flexible Bend Sensor」という両方向性の曲げセンサがあります。
「スタンドアロン/外部電源の接続方法」:
今回はワイヤレス通信なのでコンピュータにUSB接続せずに、外部電源として乾電池006P(9V)を用いスタンドアロンで操作できるようにします。
抵抗を取り付けた曲げセンサを、以下のようにArduinoのアナログ端子の0番ピンと1番ピンに接続します。
Arduinoへプログラムをアップロードする際には、Bluetoothモジュールを外して行って下さい。同時に、Arduino基板上の「USB-EXT」のジャンパピンも「USB」側に差込んでアップロードしてください。
アップロード後は、Arduino基板とBluetoothモジュールを以下のように接続し、「USB-EXT」のジャンパピンを「EXT」側に差し込んでください。
「Arduinoのプログラム」:
Arduinoからは、値を文字列として送信します。文字列にすることで、大きな値をそのままProcessingへ送信することができます(文字列でシリアル通信する方法については「Arduino-Processing シリアル通信5」を参照して下さい)。
「Processingのプログラム」:
Processingの方は、読み取った値に応じて矩形が左右に動く単純なプログラムにします。Arduinoからは改行コードを含んだ文字列データが届くのでbufferUntil()を用い、改行コードまでをひとまとまりのデータとしてreadStringUntil()で読み込み、不要な改行コードをtrim()で取り除き、int()で整数値化し、最終的にmap()でオフセットや最小値/最大値を設定してX座標に代入します。少しゆとりをみて、合成された読み取り値の最小値を500、最大値を1500、図形のX座標値となる最小値を0、最大値を画面幅の600に設定することにします。map()で得られる値はfloat(小数)になるので、X座標用の変数xもfloat型にしておきます。
プログラムを実行し、マウスクリックでシリアル通信を開始することにします。
(上画像:「BlueSmiRF Gold」/from Sparkfun)
今回は、Arduino基板に曲げセンサと「BlueSmiRF Gold」を接続し、コンピュータのBlueTooth機能を利用して、Processingとワイヤレスでシリアル通信してみます。曲げセンサについては、2本を背中合わせに貼り合わせて、まっすぐな状態から両方向に曲げて出力値が変化するように加工します。
「コンピュータとのBluetooth接続設定」:
まず、「BlueSmiRF Gold」とコンピュータのBluetoothの接続設定を行います。
「BlueSmiRF Gold」には以下のように6本の端子があります。
CTS:送信要求端子(非接続またはRTS端子へ)
PWR:電源端子(Arduino 5V端子へ)
GND:グランド端子(Arduino GND端子へ)
TX :送信端子(Arduino RX:0番端子へ)
RX :受信端子(Arduino TX:1番端子へ)
RTS:受信準備完了端子(非接続またはCTS端子へ)
「BlueSmiRF Gold」のPWR端子とGND端子をArduinoの5V端子とGND端子に接続し、USBを通して電源供給します(あるいは、外部電源でもかまいません)。そうすれば、「BlueSmiRF Gold」の赤色のLEDが点滅し始めます。他の端子については、今のところ接続する必要はありません。
MacOSXの場合、
・メニューバー右端のBluetoothアイコンをクリック。
・「Bluetooth:入」を選択し機能をオンにする。
・さらに「Bluetoothデバイスを設定...」を選択する。
・「Bluetooth設定アシスタント」の画面が現れる。
・「続ける」を押していき、「任意のデバイス」を選択。
・デバイスが検索されたら「パスキーオプション」を押す。
・「このデバイスではパスキーを使用しない」を選択し「OK」を押す。
・「続ける」を押していき、最後に「終了」を押して完了。
Windowsの「Bluetooth設定」の場合、
アプリケーションを立ち上げて「新しい接続」を押します。「新しい接続の追加ウィザード」の画面で、「エクスプレスモード」を選び「次へ」を押し、「FireFry-D39A」というようなデバイス名で「BlueSmiRF Gold」を認識します。「次へ」を押すとポートが「COM40」あたりに設定されます。設定されれば以下のような画面になります。
「FireFry-D39A」を選択しダブルクリックすれば「接続」しますが、ここでは「接続」せず「ハイパーターミナル」上で「接続」することにします。
Bluetoothが内蔵されていないコンピュータの場合は、以下のようなBluetooth USBアダプタをコンピュータに接続する必要があります。
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「Zterm/ハイパーターミナルの設定」:
「BlueSmiRF Gold」の赤色のLED点滅が緑色のLED点灯に変われば通信接続されたことになります。
ただし「BlueSmiRF Gold」のデフォルトの通信速度(ボーレート)が115200bpsであるため、9600bpsに設定し直すことにします。そのためには、「BlueSmiRF Gold」の内部設定をATコマンドによって変更します。ATコマンドを使うには、MacOSXなら「ZTerm」、Windowsなら「ハイパーターミナル」などのターミナルアプリケーションを使って送信すると便利です。
「BlueSmiRF Gold」を電源に接続し、コンピュータのBluetooth接続設定をした後、「ZTerm」(MacOSX)あるいは「ハイパーターミナル」(Windows)を起動します。
MacOSXの場合:
ZTermのDial>Directry...を選択すると以下の画面が現れます。
「Dial Directory」画面上の「New」ボタンを押すと以下のような別画面が現れます。
「Service Name:」の欄に任意名を記入します。「Local Echo」にチェックを入れます。その他は上のような設定でも大丈夫です。「OK」ボタンを押します(「Dial Directory」画面上の中央上の「Connection」ボタンでこの画面に戻ることができます)。
「Settings>Terminal...」あるいは「Dial Directory」画面上の「Terminal」ボタンを押すと以下の画面が現れます。
上のような内容で設定し「OK」ボタンを押す。
次に、「Settings>Modem Preferences...」を選択すると以下の画面が現れます。
ここで、画面上段の「Serial Port:」がBluetoothのシリアルポート(「/dev/tty.FireFly-D39A-SPP-1」など)になっているか確認してください(なっていなければ選択する)。「OK」ボタンを押し、「Dial Directory」画面に戻ります。「Dial」ボタンを押して通信接続します。接続中は、「BlueSmiRF Gold」の緑色のLEDが点灯します。接続されない場合は、「BlueSmiRF Gold」の電源を入れなおすか、「Zterm」を再起動してみてください。
Windowsの場合:
ハイパーターミナルを立ち上げます。
この画面上で、「名前:」に接続名(任意名)を記入し、「OK」を押します(次回接続するときは、「キャンセル」を押し、メニューバーの「ファイル>開く」から保存した設定ファイルを選択してください)。
「接続方法:」の欄で、先ほどの「Bluetooth設定」で割り当てられたポート「COM40」を選択し「OK」を押します。
「ビット/秒:」を「9600」、「フロー制御」を「なし」、「適用」と「OK」を押します。
この設定ウィンドウが閉じると自動的に接続が開始されますが、メニューバーの「通信>切断」で通信を中断し、「ファイル>プロパティ」をクリックし、以下の画面を出します。
「ASCII設定」ボタンを押すと、さらに以下の画面が現れます。
上画像のようにチェックをいれます。「OK」を押して戻ります。
メニューバー「通信>電話」をクリックし、通信を開始します。
通信が開始されれば、「BlueSmiRF Gold」の緑のLEDが点灯します。
後は、ATコマンドを入力していきます。
「ATコマンド入力/通信速度の設定変更」
コンピュータ側のBluetoothと接続され、「BlueSmiRF Gold」の緑色のLEDが点灯すれば、以下のようにATコマンドを入力していきます。
$$$
ドルを三回(最後にリターンキーは押さない)を入力すると「CMD」という返事が表示され、ATコマンドモードに切り替わり、緑のLEDが点灯しつつ赤いLEDが点滅し始めます。
注意しなければいけないことは、「BlueSmiRF Gold」にはタイマー機能(デフォルト:60秒)があり、電源を入れてから60秒以内に「$$$」を入力する必要があります。時間切れになると、赤いLEDの点滅速度が遅くなります。「CMD」が表示されなかったり、赤いLEDが高速に点滅しないときは、一旦通信を切断し、「BlueSmiRF Gold」の電源を切って再接続した後、60秒以内に再度「$$$」を入力してみてください。あるいは、以下のように、このタイマー機能の時間を設定し直すことも可能です。
ST,100
を入力し「リターンキー」を押せば、タイマーを100秒に設定することができます(「ST,」の後に数値を入れることで制限時間を設定できます)。ただし、「ST,」の後に「0」を入力すると「遠隔設定不可」、「255」を入力すると「時間制限なし」になります。
通信速度(ボーレート)を9600に変更するには、
SU,96
を入力し「リターンキー」を押します(「SU,」の後にボーレートの最初の2桁を入力、9600の場合「96」、4800の場合「48」を入力)。「AOK」が表示されれば、変更されたことになります。変更内容を確認するには、
D
を入力し「リターンキー」を押します。そうすると各設定が以下のように表示されます。
***Settings***
BTA=00066600D39A
BTName=FireFly-D39A
Baudrt=9600
Parity=None
Mode =Slav
Authen=0
Encryp=0
PinCod=1234
Bonded=0
Rem=NONE SET
「Baudrt=9600」になっているので、通信速度(ボーレート)は9600に変更されています。ATコマンドモードを終了するには、
---
というように、ハイフンを3回入力し、「リターンキー」を押してください。そうすると「END」という返事がきます。
その他のコマンドについては、
http://www.sparkfun.com/datasheets/RF/RN_BlueportII-ref-guide.pdf
に書いてあります。「BlueSmiRF Gold」の基本設定は以上です。
尚、「ZTerm」やATコマンド入力については、「Arduino+Xbee Shield/Processing+XBee Explorer USB」においても説明があります。
(「ZTerm」のATコマンド入力画面)
「曲げセンサの接続方法」:
次は、曲げセンサについてです。通常、曲げセンサはまっすぐな状態の時に抵抗値が低く、曲げると抵抗値が高くなる特性があります。反対方向に曲げてもそれ以上抵抗値は変化しないので、曲げる方向は一方向に限られてしまいます。2本の曲げセンサを背中合わせに貼り合わせて1本として使えば、まっすぐな状態からどちらの方向に曲げても抵抗値が変化するようになります。曲げセンサの通電性のある面を外側にし、両面テープなどで貼り合わせ、それぞれの端子の部分は互いにショートしないようにビニルテープや熱収縮チューブなどで絶縁しておきます。
ひとつの曲げセンサにプルアップ抵抗(10KΩ)を取付け、もうひとつの曲げセンサにはプルダウン抵抗(10KΩ)を取付けます(プルアップ/プルダウン抵抗については「センサについて」を参照)。そうすることで、一方へ曲げると読み取られる電圧は下がり、逆方向へ曲げると電圧が上がるようになります。それぞれ読み取った値をプログラム上で合成しProcessingへ送信します。Arduinoのアナログ入力analogRead()で読み込むと、一方の値が約200~500に変化し、もう一方が約500~800に変化するので、合成すると約700~1300前後で値が変化することになります。まっすぐな状態のときは、約1000前後になります。
ちなみに、「Bi-directional Flexible Bend Sensor」という両方向性の曲げセンサがあります。
「スタンドアロン/外部電源の接続方法」:
今回はワイヤレス通信なのでコンピュータにUSB接続せずに、外部電源として乾電池006P(9V)を用いスタンドアロンで操作できるようにします。
抵抗を取り付けた曲げセンサを、以下のようにArduinoのアナログ端子の0番ピンと1番ピンに接続します。
Arduinoへプログラムをアップロードする際には、Bluetoothモジュールを外して行って下さい。同時に、Arduino基板上の「USB-EXT」のジャンパピンも「USB」側に差込んでアップロードしてください。
アップロード後は、Arduino基板とBluetoothモジュールを以下のように接続し、「USB-EXT」のジャンパピンを「EXT」側に差し込んでください。
「Arduinoのプログラム」:
void setup(){
//シリアル通信開始
Serial.begin(9600);
}
void loop(){
//変数を用意し、二つの読取り値を合成して代入
int val=analogRead(0)+analogRead(1);
//合図用データが届いたら
if(Serial.available()>0){
//合成した値を文字列(改行コード付き)で送信
Serial.println(val,DEC);
//バッファを空にしておく
Serial.read();
}
}
Arduinoからは、値を文字列として送信します。文字列にすることで、大きな値をそのままProcessingへ送信することができます(文字列でシリアル通信する方法については「Arduino-Processing シリアル通信5」を参照して下さい)。
「Processingのプログラム」:
Processingの方は、読み取った値に応じて矩形が左右に動く単純なプログラムにします。Arduinoからは改行コードを含んだ文字列データが届くのでbufferUntil()を用い、改行コードまでをひとまとまりのデータとしてreadStringUntil()で読み込み、不要な改行コードをtrim()で取り除き、int()で整数値化し、最終的にmap()でオフセットや最小値/最大値を設定してX座標に代入します。少しゆとりをみて、合成された読み取り値の最小値を500、最大値を1500、図形のX座標値となる最小値を0、最大値を画面幅の600に設定することにします。map()で得られる値はfloat(小数)になるので、X座標用の変数xもfloat型にしておきます。
プログラムを実行し、マウスクリックでシリアル通信を開始することにします。
//シリアル通信ライブラリを取り込む
import processing.serial.*;
//ポートのインスタンス
Serial port;
//X座標用の変数(小数)
float x;
void setup(){
//横長の画面に設定
size(600,200);
//シリアルポート設定(Bluetoothのポート)
port=new Serial(this,"/dev/tty.FireFly-D39A-SPP-1",9600);
//「10」(ラインフィード:改行コード)が来る度に
//serialEvent()を呼び出す
port.bufferUntil(10);
}
void draw(){
//背景
background(100);
//矩形描画
rect(x,100,20,20);
}
void serialEvent(Serial p){
//文字列の変数stringDataを用意し、
//「10」(ラインフィード:改行コード)が来るまで読み込む
String stringData=port.readStringUntil(10);
//文字列データが空ではないとき
if(stringData!=null){
//文字列データに含まれる改行記号を取り除き整数にする
int val=int(trim(stringData));
//値のオフセット、最小値、最大値を設定しxに代入
x=map(val,500,1500,0,600);
//合図用データ送信
port.write('A');
}
}
//マウスをクリックしたらシリアル通信開始
void mousePressed(){
//通信開始用データ送信
port.write('A');
}
ラベル:
arduino,
BlueTooth,
processing,
ワイヤレス通信,
曲げセンサ
10/20/2008
Processing ライブラリのインストール先(v149以降)
現在Processingの最新バージョンは152になっており、いくつかの内容変更があります。特にProcessing 149以降では、ダウンロードしたライブラリをインストールする際(例えば、サウンドライブラリである「minim」など)、スケッチフォルダ内に「libraries」というフォルダを作成し、そのなかにダウンロードしたライブラリを入れるようになりました。
例えば、「minim」の場合なら、ダウンロードした「minim」というフォルダを、MacOSの場合、/Users/username/Documents/Processing/librariesの中に入れるということになります(「username」部分は各ユーザの名前のディレクトリです)。Macintosh HD>ユーザ>各ユーザ名>書類>Processing>libraries>minimという感じです。
追記:
バージョン155以降では、「libraries」フォルダがない場合には自動的に作成されるようになったようです。
例えば、「minim」の場合なら、ダウンロードした「minim」というフォルダを、MacOSの場合、/Users/username/Documents/Processing/librariesの中に入れるということになります(「username」部分は各ユーザの名前のディレクトリです)。Macintosh HD>ユーザ>各ユーザ名>書類>Processing>libraries>minimという感じです。
追記:
バージョン155以降では、「libraries」フォルダがない場合には自動的に作成されるようになったようです。
ラベル:
processing
10/18/2008
Arduino-Processing シリアル通信6
【変更】以下はArduino1.0まで対応したプログラム内容です。
特にシリアル通信においては、Arduino2.0使用の際、バイト送信する場合、
Serial.print(value,BYTE);
のかわりに、
Serial.write(value);
を使用してください。
これまでのシリアル通信では、ProcessingとArduinoの一対一の通信を行ってきましたが、今回はProcessingで二つのシリアルポートを使い、二つのArduinoとシリアル通信を行う実験をしてみます。それぞれのArduino基盤には可変抵抗器をとりつけて入力値をProcessingへ別々に送信することにします。Processingの画面では、二つの入力信号を個別に読み取ってそれぞれの状態を描画することにします。
具体的なサンプルとして、「Pong」(下画像)のように二つのコントローラによって対戦するプログラムにします。それぞれのArduino基盤がコントローラとしてコンピュータに接続され、画面上でそれぞれのラケットを動かすことになります(得点のプログラムは含まれていません)。
(上画像:Processingの画面「Pong」)
Arduino基盤と可変抵抗器の接続は以下のようになります(二つ必要です)。
Arduinoのプログラム:
void setup(){ Serial.begin(9600); } void loop(){ //可変抵抗器の読み取り int val=analogRead(0); //シリアル通信処理 if(Serial.available()>0){//合図用データが一つ来たら //合図用データを読み込んでバッファを空にする Serial.read(); //読取値を4で割り、バイトで送信 Serial.print(val/4,BYTE); } }
Arduino側のプログラムでは、可変抵抗器からの読取り値を4で割ってスケールダウンした値(0~255)をシリアル通信でProcessing側へ送信しています(同期通信させるために合図用データを用いるシリアル通信の方法については「Arduino-Processing シリアル通信2」を参照して下さい)。二つのArduino基盤とも同じ内容になります。
Processingのプログラム:
//シリアル通信ライブラリを取り込む import processing.serial.*; //二つのポートのインスタンス Serial portA; Serial portB; //二つの読取値の変数 int valA=100,valB=100; //ボ−ル座標用変数 int x=100,y=100; //ボールの動きの向きの変数(1:正の向き、-1:負の向き) int dirX=1,dirY=1; void setup(){ //画面サイズ設定 size(300,256); //二つのシリアルポート設定 portA = new Serial(this, "/dev/tty.usbserial-A50019vD", 9600); portB = new Serial(this, "/dev/tty.usbserial-A40014iU", 9600); //図形外形線なし noStroke(); //塗り色(白) fill(255); //矩形描画位置を中央に設定 rectMode(CENTER); } void draw(){ //背景(黒) background(0); //左ラケット描画(valAをY座標に代入) rect(20,valA,10,30); //右ラケット描画(valBをY座標に代入) rect(280,valB,10,30); //ボール描画 rect(x,y,10,10); //ボールX座標の動き x+=dirX;//X軸方向に+1または-1ずつ進める //ラケットAに当たった時のはね返り if(x==30 && y>valA-15 && y<valA+15){ dirX*=-1;//向きを反転する } //ラケットBに当たった時のはね返り if(x==270 && y>valB-15 && y<valB+15){ dirX*=-1;//向きを反転する } //画面左端からはみ出た場合 if(x<0){ x=270;//右側に戻る } //画面右端からはみ出た場合 if(x>width){ x=30;//画面左側に戻る } //ボールY座標の動き y+=dirY;//Y軸方向に+1または-1ずつ進める //画面上下位置でのはね返り if(y<5 || y>251){ dirY*=-1;//向きを反転する } } //キーを押した場合 void keyPressed(){ //「s」キーでシリアル通信開始 if(key=='s'){ //二つのポートへ開始用データ送信 portA.write(65); portB.write(65); } } //シリアル通信処理 void serialEvent(Serial p){ //portAの場合 if(p==portA){ if(p.available()>0){ //値を読み込みvalAに代入 valA=p.read(); //合図用データ送信 portA.write(65); } } //portBの場合 if(p==portB){ if(p.available()>0){ //値を読み込みvalBに代入 valB=p.read(); //合図用データ送信 portB.write(65); } } }
Processing側のプログラムでは、二つのシリアルポートを用意し、それぞれportA、portB(名前は任意)にしておきます。serialEvent(Serial p){...}の括弧内のpは、ポート名に対応しています(今回の場合は、pはportAまたはportBに対応します)。serialEvent()は、Processingがデータを受信した際に作動するので、if()文を使ってどちらのポートなのかを条件分けして判別し、ポートに応じてそれぞれの読込み値を変数に代入します。同期通信させるために、Arduinoから送信されたデータをp.available()で確認しデータを読み込んだ後に、合図用データ(0~255の数値あるいは'A'や'a'などの一つの文字/1バイト分のデータ)を送信しています。
Processingのプログラムを開始したら、「s」キーを押すことでシリアル通信を開始することにしました(プログラム開始から数秒経った後に「s」キーを押さないと、シリアル通信が開始されないことがあります)。
関連:
「Arduino-Processing シリアル通信1」(一つの値を送る/非同期通信)
「Arduino-Processing シリアル通信2」(複数の値をバイトで送る/同期通信)
「Arduino-Processing シリアル通信3」(大きな値を複数送る)
「Processing-Arduino シリアル通信4」(ProcessingからArduinoを制御する)
「Arduino-Processing シリアル通信5」(複数の値を文字列で送信する)
ラベル:
arduino,
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シリアル通信
10/17/2008
Arduino+Xbee Shield/Processing+XBee Explorer USB
Arduinoにはワイヤレス通信するためのXbee Shieldがあります。今回はArduinoのXbee Shieldのサイトを参考に簡単な通信実験から始めたいと思います。Xbee Shiledを装着したArduino基板が2個必要になります。
(Xbee Shiledを装着したArduino基板)
注意しなければいけないことは、Arduino基板にXbee Shiledを装着したままプログラムをアップロードする際、Xbee Shiled上にある二つのジャンパピン(二つの間には「XBEE/USB」と表示されています)を「USB」側に差し替えなければいけないことです(3本のピンのうち、USB側のピンと中央のピンの2本のピンに差し込まれている状態になります)。
尚、アップロード後は「XBEE」側のピンと中央のピンの2本のピンに差し込まれている状態に戻してください。
「二つのArduino間での通信」:
以下では、Xbee Shieldのサイトに従って、LEDの点滅実験を行います。一方のXbee Shiledを装着したArduino基板から、一秒おきに'H'か'L'の文字を送信し、受信したもう一方のXbee Shiledを装着したArduino基板の13番ピンに接続されたLEDが点滅する内容です。基本的には、通常のシリアル通信のプログラムと同じような内容になります。
送信側Arduinoのプログラム:
送信側は一方的に'H'と'L'を1秒間隔で送信するだけです。受信側は、送信側からのデータが届いたら読み込みをし、データが「H」であれば13番ピンをHIGHで出力し、そうでなければLOWで出力するプログラムになります。
受信側Arduinoのプログラム:
乾電池などの外部電源でArduinoを作動させれば、それぞれスタンドアロンで通信し合います。Decimilaなどの旧型のArduino基板の場合、外部電源を使うにはArduino基板についている「USB/EXT」のジャンパピンを「EXT」側に差し替える必要があります(プログラムをアップロードする際には、パソコンとUSB接続し、ジャンパピンも「USB」側に差し替えて下さい)。
「コンピュータに接続したXbeeと通信」:
コンピュータにXbeeを接続し、Arduinoとワイヤレス通信するには以下のようになります。
Sparkfunで販売されている「XBee Explorer USB」を使うと簡単にコンピュータとUSB接続でき、Processingからワイヤレスにシリアル通信が可能になります。
(左:「XBee Explorer USB」、右:Xbeeを装着した状態)
以下では、先ほどの受信用のXbee Shieldを装着したArduino基板に対して、Xbeeモジュールを装着した「XBee Explorer USB」を通して、Processingからワイヤレスでシリアル通信してみます。
まず、「XBee Explorer USB」のシリアルポートを調べてみます。
「XBee Explorer USB」をコンピュータに接続し、上記の二行のプログラムをランさせれば、「XBee Explorer USB」のシリアルポートが出力されるはずです。
「Processingのプログラム」:
受信側となるArduinoのプログラムは先ほどと同じものを使い、送信側となるProcessingだけのプログラムを以下に書きます。マウスボタンを押したら点灯、放したら消灯する内容とします。
プログラムの内容はこれまでのシリアル通信と同じなので、ポートの設定、接続やジャンパピンの差し替えなどを間違わなければ特に問題はないと思います。
「Xbeeモジュールの設定/ATコマンド」:
XbeeにATコマンドを送ることで、Xbeeモジュール自体の設定を確認したり変更することができます。ATコマンドをXbeeモジュールに送信するには、MacOSXなら「ZTerm」など、Windowsなら「ハイパーターミナル」や「Tera Term」などのターミナルアプリケーションで入力すると便利です(「ZTerm」と「ハイパーターミナル」の設定や使い方については、「Arduino-Processing BlueTooth通信+曲げセンサ」にも、説明があります)。
コンフィグレーションモードに入るには、
プラスを3回入力し待機します(リターンキーは押さない)。そうすれば、
という返事が返ってきます(ATコマンドモードでは、「+++」を押したあと1秒後に「OK」が返答され、さらに10秒以内に次のコマンドを送信しなければコマンドモードが自動的に終了してしまうので、返答がない場合は再度「+++」を押す必要があります)。さらに続けて、
と押せば、デフォルトの状態であれば、
という数値が返ってきます。「3332」という数値は、そのモジュールのネットワークIDであり、このネットワークIDを変更すれば同じネットワークIDを共有しているXbeeモジュール間だけでの通信が可能になります(ひとつのモジュールだけでなく、相手になるモジュールも変える必要があります)。
設定されている通信速度を確認するには、
と押せば、デフォルトであれば、
という数値が返ってきます。通信速度はそれぞれ
なので、デフォルトの「3」は9600 bpsということになります。
と打てば(「ATBD」の後に「4」を付け加える)、通信速度は「4」(19200)に変更されます(「OK」という返答がきます)。再度、
と打てば、変更した内容を確認できます(この場合「4」という数値が返ってきます)。ただし、この場合電源が切れると設定内容は消えてしまいます。電源を切っても設定内容が戻らないようにするには、
を変更後すぐに送信します(「OK」という返答がきます)。あるいは、
という感じで、コマンドを複数合成して送信することもできます(「OK OK」という二つ分の返答がきます)。デフォルトの状態に戻すには、
になるのですが、「WR」を付け加えていないので再度電源を入れたときには前回の状態に戻ってしまいます。
とすれば、電源を入れ直してもデフォルト状態は保持されます。
尚、コマンドモードから出るには、
になります。
デフォルトでは、
に設定されており、ネットワーク、チャンネル、モジュールのアドレス、送信先アドレスがそれぞれ同じであるため、どのモジュール間でも通信可能です。逆に、ネットワークIDを変更してしまえば、他のモジュール群から干渉を受けずに通信し合うことも可能になります。あるいは、二つのモジュール間で送信先を互いに設定してしまえば、そのアドレスのモジュールだけとの通信が可能になります。そのためには、IDとCHは共有しておき、それぞれのモジュールアドレスを個別に設定しておきます。
とすれば、このモジュールの「MY」は「1111」に設定されたことになります(「WR」を付け加えたので、電源を落としても変更内容は記憶されます)。さらに送信先のアドレスを「2222」に設定するには、「DL」を「2222」に「DH」を「0」にします。
もう一方のほうも設定する必要があるので、「MY」を「2222」、「DL」を「1111」、「DH」を「0」にします。
とします。こうすることで、「1111」のモジュールと「2222」のモジュールが互いに送信先を特定して通信し合うことができます。
Arduino Xbee Shieldサイトの説明によれば、「DH」を「0」、「DL」を「FFFF」に設定すれば、そのモジュールからの通信は、その他のすべてのモジュールによって受信可能になります。
また、送信先アドレス(上位ビットDHと下位ビットDL)が「FFFF」より大きい値(つまり「DH」が「0」以外の数値に設定したとき)、その「DH」と「DL」が相手モジュールの「SH」と「SL」に等しければ、相手モジュールのみに受信させることが可能になります。ただし、この場合も、ネットワークIDとチャンネルは同じでなければなりません。
「Ztermの設定」:
以下は、MacOSXで「ZTerm」を使ったときの画面です。
ATコマンドを打つ画面。
メニューバー>Dial>Directory...をクリックすれば、上画面が現れます。「New」を押せば、新たな接続先を追加する画面(下画像)がでてきます。
「Service Name:」の欄に適当な名前を入れます。「Local Echo」にはチェックをいれておきます。チェックを外すと、自分の打った文字は画面に現れないので、チェックを入れておいた方がいいでしょう。Xbeeがデフォルト状態であれば、その他の項目は上画面のようになります。メニューバー>Setting>Connection...をクリックすることで、再度この画面が現れます。
メニューバー>Setting>Terminal...をクリックすれば、上画面が現れます。ここでは「Auto Line Feed」にチェックをいれておきます。チェックを外すと、ATコマンドが改行されなくなるので、チェックをいれておいたほうがいいでしょう。恐らく、MacOSXの改行コードは、「CR(キャリッジリターン:行頭に戻る)」だけなので、「LF(ラインフィード:次の行に移る)」も付け加えないと改行されなくなるからでしょう。
(Xbee Shiledを装着したArduino基板)
注意しなければいけないことは、Arduino基板にXbee Shiledを装着したままプログラムをアップロードする際、Xbee Shiled上にある二つのジャンパピン(二つの間には「XBEE/USB」と表示されています)を「USB」側に差し替えなければいけないことです(3本のピンのうち、USB側のピンと中央のピンの2本のピンに差し込まれている状態になります)。
尚、アップロード後は「XBEE」側のピンと中央のピンの2本のピンに差し込まれている状態に戻してください。
「二つのArduino間での通信」:
以下では、Xbee Shieldのサイトに従って、LEDの点滅実験を行います。一方のXbee Shiledを装着したArduino基板から、一秒おきに'H'か'L'の文字を送信し、受信したもう一方のXbee Shiledを装着したArduino基板の13番ピンに接続されたLEDが点滅する内容です。基本的には、通常のシリアル通信のプログラムと同じような内容になります。
送信側Arduinoのプログラム:
void setup(){ //シリアル通信開始 Serial.begin(9600); } void loop(){ Serial.print('H');//「H」を送信(点灯) delay(1000); //1秒待つ Serial.print('L');//「L」を送信(消灯) delay(1000); //1秒待つ }
送信側は一方的に'H'と'L'を1秒間隔で送信するだけです。受信側は、送信側からのデータが届いたら読み込みをし、データが「H」であれば13番ピンをHIGHで出力し、そうでなければLOWで出力するプログラムになります。
受信側Arduinoのプログラム:
int val;//受信データ用の変数を用意 void setup(){ //シリアル通信開始 Serial.begin(9600); //13ピンをデジタル出力に設定 pinMode(13,OUTPUT); } void loop(){ if(Serial.available()>0){ //データが来たら val=Serial.read(); //データを読み込み、valへ代入 } if(val=='H'){ //valが「H」の場合 digitalWrite(13,HIGH);//点灯 }else{ //valが「L」の場合 digitalWrite(13,LOW); //消灯 } }
乾電池などの外部電源でArduinoを作動させれば、それぞれスタンドアロンで通信し合います。Decimilaなどの旧型のArduino基板の場合、外部電源を使うにはArduino基板についている「USB/EXT」のジャンパピンを「EXT」側に差し替える必要があります(プログラムをアップロードする際には、パソコンとUSB接続し、ジャンパピンも「USB」側に差し替えて下さい)。
「コンピュータに接続したXbeeと通信」:
コンピュータにXbeeを接続し、Arduinoとワイヤレス通信するには以下のようになります。
Sparkfunで販売されている「XBee Explorer USB」を使うと簡単にコンピュータとUSB接続でき、Processingからワイヤレスにシリアル通信が可能になります。
(左:「XBee Explorer USB」、右:Xbeeを装着した状態)
以下では、先ほどの受信用のXbee Shieldを装着したArduino基板に対して、Xbeeモジュールを装着した「XBee Explorer USB」を通して、Processingからワイヤレスでシリアル通信してみます。
まず、「XBee Explorer USB」のシリアルポートを調べてみます。
import processing.serial.*; println(Serial.list());
「XBee Explorer USB」をコンピュータに接続し、上記の二行のプログラムをランさせれば、「XBee Explorer USB」のシリアルポートが出力されるはずです。
「Processingのプログラム」:
受信側となるArduinoのプログラムは先ほどと同じものを使い、送信側となるProcessingだけのプログラムを以下に書きます。マウスボタンを押したら点灯、放したら消灯する内容とします。
//シリアル通信ライブラリを取り入れる import processing.serial.*; //ポートのインスタンス Serial port; void setup(){ //「XBee Explorer USB」のシリアルポート設定 port=new Serial(this,"/dev/tty.usbserial-A8003VXd",9600); } void draw(){ //特になし } void mousePressed(){//マウスボタンを押したら port.write('H'); //「H」を送信(点灯) } void mouseReleased(){//マウスボタンを放したら port.write('L'); //「L」を送信(消灯) }
プログラムの内容はこれまでのシリアル通信と同じなので、ポートの設定、接続やジャンパピンの差し替えなどを間違わなければ特に問題はないと思います。
「Xbeeモジュールの設定/ATコマンド」:
XbeeにATコマンドを送ることで、Xbeeモジュール自体の設定を確認したり変更することができます。ATコマンドをXbeeモジュールに送信するには、MacOSXなら「ZTerm」など、Windowsなら「ハイパーターミナル」や「Tera Term」などのターミナルアプリケーションで入力すると便利です(「ZTerm」と「ハイパーターミナル」の設定や使い方については、「Arduino-Processing BlueTooth通信+曲げセンサ」にも、説明があります)。
コンフィグレーションモードに入るには、
+++
プラスを3回入力し待機します(リターンキーは押さない)。そうすれば、
OK
という返事が返ってきます(ATコマンドモードでは、「+++」を押したあと1秒後に「OK」が返答され、さらに10秒以内に次のコマンドを送信しなければコマンドモードが自動的に終了してしまうので、返答がない場合は再度「+++」を押す必要があります)。さらに続けて、
ATID(リターンキーを押して送信)
と押せば、デフォルトの状態であれば、
3332
という数値が返ってきます。「3332」という数値は、そのモジュールのネットワークIDであり、このネットワークIDを変更すれば同じネットワークIDを共有しているXbeeモジュール間だけでの通信が可能になります(ひとつのモジュールだけでなく、相手になるモジュールも変える必要があります)。
設定されている通信速度を確認するには、
ATBD(リターンキーを押して送信)
と押せば、デフォルトであれば、
3
という数値が返ってきます。通信速度はそれぞれ
0:1200 bps 1:2400 bps 2:4800 bps 3:9600 bps 4:19200 bps 5:38400 bps 6:57600 bps 7:115200 bps
なので、デフォルトの「3」は9600 bpsということになります。
ATBD4(リターンキーを押して送信)
と打てば(「ATBD」の後に「4」を付け加える)、通信速度は「4」(19200)に変更されます(「OK」という返答がきます)。再度、
ATBD(リターンキーを押して送信)
と打てば、変更した内容を確認できます(この場合「4」という数値が返ってきます)。ただし、この場合電源が切れると設定内容は消えてしまいます。電源を切っても設定内容が戻らないようにするには、
ATWR(リターンキーを押して送信)
を変更後すぐに送信します(「OK」という返答がきます)。あるいは、
ATBD4,WR(リターンキーを押して送信)
という感じで、コマンドを複数合成して送信することもできます(「OK OK」という二つ分の返答がきます)。デフォルトの状態に戻すには、
ATRE(リターンキーを押して送信)
になるのですが、「WR」を付け加えていないので再度電源を入れたときには前回の状態に戻ってしまいます。
ATRE,WR(リターンキーを押して送信)
とすれば、電源を入れ直してもデフォルト状態は保持されます。
尚、コマンドモードから出るには、
ATCN(リターンキーを押して送信)
になります。
デフォルトでは、
ID:3332(ネットワークID) CH:0x0C(チャンネル) MY:0(そのモジュールのアドレス) SH: (シリアルナンバー上位32ビット/モジュールごとに異なる) SL: (シリアルナンバー下位32ビット/モジュールごとに異なる) DH:0(送信先アドレス上位32ビット) DL:0(送信先アドレス下位32ビット) BD:3(通信速度:9600 bps)
に設定されており、ネットワーク、チャンネル、モジュールのアドレス、送信先アドレスがそれぞれ同じであるため、どのモジュール間でも通信可能です。逆に、ネットワークIDを変更してしまえば、他のモジュール群から干渉を受けずに通信し合うことも可能になります。あるいは、二つのモジュール間で送信先を互いに設定してしまえば、そのアドレスのモジュールだけとの通信が可能になります。そのためには、IDとCHは共有しておき、それぞれのモジュールアドレスを個別に設定しておきます。
ATMY1111,WR(リターンキーを押して送信) OK OK(Xbeeからの返信)
とすれば、このモジュールの「MY」は「1111」に設定されたことになります(「WR」を付け加えたので、電源を落としても変更内容は記憶されます)。さらに送信先のアドレスを「2222」に設定するには、「DL」を「2222」に「DH」を「0」にします。
ATDL2222,DH0,WR(リターンキーを押して送信) OK OK OK(Xbeeからの返信)
もう一方のほうも設定する必要があるので、「MY」を「2222」、「DL」を「1111」、「DH」を「0」にします。
ATMY2222,DL1111,DH0,WR(リターンキーを押して送信) OK OK OK OK(Xbeeからの返信)
とします。こうすることで、「1111」のモジュールと「2222」のモジュールが互いに送信先を特定して通信し合うことができます。
Arduino Xbee Shieldサイトの説明によれば、「DH」を「0」、「DL」を「FFFF」に設定すれば、そのモジュールからの通信は、その他のすべてのモジュールによって受信可能になります。
また、送信先アドレス(上位ビットDHと下位ビットDL)が「FFFF」より大きい値(つまり「DH」が「0」以外の数値に設定したとき)、その「DH」と「DL」が相手モジュールの「SH」と「SL」に等しければ、相手モジュールのみに受信させることが可能になります。ただし、この場合も、ネットワークIDとチャンネルは同じでなければなりません。
「Ztermの設定」:
以下は、MacOSXで「ZTerm」を使ったときの画面です。
ATコマンドを打つ画面。
メニューバー>Dial>Directory...をクリックすれば、上画面が現れます。「New」を押せば、新たな接続先を追加する画面(下画像)がでてきます。
「Service Name:」の欄に適当な名前を入れます。「Local Echo」にはチェックをいれておきます。チェックを外すと、自分の打った文字は画面に現れないので、チェックを入れておいた方がいいでしょう。Xbeeがデフォルト状態であれば、その他の項目は上画面のようになります。メニューバー>Setting>Connection...をクリックすることで、再度この画面が現れます。
メニューバー>Setting>Terminal...をクリックすれば、上画面が現れます。ここでは「Auto Line Feed」にチェックをいれておきます。チェックを外すと、ATコマンドが改行されなくなるので、チェックをいれておいたほうがいいでしょう。恐らく、MacOSXの改行コードは、「CR(キャリッジリターン:行頭に戻る)」だけなので、「LF(ラインフィード:次の行に移る)」も付け加えないと改行されなくなるからでしょう。
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