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2008年用ですが、部分的に内容を更新しています(2010/06/14)。
また、[建築農業工作ゼミ2009-2010]とも連動していますので、そちらにも幾つかサンプルがあります。
:

11/15/2008

Arduino デジタルカラーセンサ S9706

今回は秋月電子で購入したデジタルカラーセンサS9706の実験をします。S9706は、RGB3色の同時測光が可能であり、9×9素子(高感度)と3×3素子(低感度)の感度設定が2段階あり、感度設定用の端子(Range端子)をHIGHまたはLOWで切り替えて設定できます。検出結果は12ビットの値でシリアル出力されます。S9706は表面実装用の小さな部品(1.27mmピッチ)なので、DIP変換基板などにハンダ付けして使用したほうが実験しやすくなります。

S9706には、

・Range端子(感度設定)
・Gate端子(測光時間の設定)
・CK端子(クロックパルス)
・Dout端子(出力)
・Vdd端子(5V電源)
・Gnd端子(グランド)

の6端子あります。
それぞれを以下のように接続します。尚、測光時間を調節できるように可変抵抗器も接続することにします。



データシートの動作手順によれば、以下のように説明されています。
(1)Gate端子とCK端子をLowにします。
(2)Range端子で、所望の感度を選択します(今回は、可変抵抗器で調節可能にしておきます)。
(3)Gate端子をLow→Highにして光量の積算を開始します。
(4)所望の積算時間の後にGate端子をHigh→Lowにして光量の積算を終了します。
(5)測定データは、CK端子に36のCKパルスを入れることで、Dout端子から出力されます。

Dout端子からの12ビットのシリアル出力を読み込むためには、CK端子へ12回のパルスを3回送る必要があります。最初の12パルスによって赤、次の12パルスによって緑、そして最後の12パルスによって青が出力されます。この部分の手続きは、shiftIn()というファンクション(名前は任意)を用意することにします。付属のデータシートのタイミングチャートに従ってプログラムしていくことにします。
最終的に得られたRGB三色の値(12ビット:0~4095)をシリアル通信でProcessingへ送信し、Processingの画面上で色表示することにします。

「Arduinoのプログラム」:

 [プログラムを表示]


アナログ入力に接続された可変抵抗器で、測光時間を1ミリ秒から1024ミリ秒まで可変的に設定可能になります。測光時間が短ければ全体的に暗い色として認識されるので適宜調節してください(白色LEDを取り付けて反射光を使って読み取らせることもできると思います)。
12ビットの値を読み込む処理をするint shiftIn(){...}では、一色につき12回CK端子へパルス(HIGH:1μsec+LOW:1μsec)を送ります。12回分のパルスをfor文で繰り返し処理させています。for(){...}の中では、digitalWrite(CK,HIGH)で1回HIGHを送ったあと1マイクロ秒待機すると、Dout端子から1ビット分の出力があるので、digitalRead(DOUT)でHIGHかLOWかを読み込みます。そしてdigitalWrite(CK,LOW)によって、CK端子をLOWに戻しておきます。
読み込み値を、
000000000000~111111111111(十進数の0~4095)
までの二進数で処理するため、digitalRead(DOUT)がHIGHの場合は12ビット中のその桁が1になります。S9706では、右の桁から出力されます。つまり、for(){...}では、最初に処理される桁は右側の一桁であり、最後に処理される桁は左側の一桁(12桁目)になります。



Processingの方では4つの矩形を用意し、RGBの三色それぞれの色面とRGBを合成した色面として表示します。Arduinoとのシリアル通信は文字列で行います(複数の文字列のシリアル通信は「Arduino-Processing シリアル通信5」を参照してください)。Processing側でクリックしたらシリアル通信を開始することにします。


Processing上の画面:左から赤、緑、青、3色合成

「Processingのプログラム」:

 [プログラムを表示]


Arduinoからは0~4095の範囲で値が送られてくるので、fill(r,g,b)の各値に代入するため、map()を使って0~255までの値(さらにint()で括って整数に変換)に変換しています。

「room01~03」について

「room01~03」概要:
既存のギャラリー空間に対して、各自の制作物(ツール/デバイス)を挿入することで、空間の機能や質あるいは空間に対する人間の知覚を変容させることを目標とします。
ギャラリーに訪れる人は、制作物(作品)に対する「鑑賞者」になるというよりも、制作物によって変容した空間の性質を体験する「体験者」になります。また、制作物を通して意味を生成したり理解されたりすることを目標とするのではなく、フィジカルに体験される物理的現象(あるいは肉体的な身体を通した感覚)を目標とします。つまり、解釈や理解によって空間の質を変容させるのではなく、実際的にあるいは物理的に空間が変容することに重点をおいてください。

「room01~03」までのステップ:
(1)ある現象を測定したり記録/伝達するような「ツール/デバイス」の実験的なプロトタイプ制作。
(2)「ツール/デバイス」を体験可能なかたちとする(「体験者」との関わりを配慮した形態)。
(3)「ツール/デバイス」と「体験者」を「空間」内に配置する(「体験者」に応じた設置方法や配置方法の工夫)。
(4)「体験者」の身体の変化と「ツール/デバイス」の変化が「空間」に与える影響力を強化する。

演習:
(1)デバイスのコラージュ
(2)デバイスと身体のコラージュ
(3)空間内に配置されるデバイスと身体のコラージュ
(4)変容する空間のコラージュ

11/13/2008

センサについて2

以下は、「秋月電子」、「千石電商」、「共立エレショップ」、「Sparkfun(米国)」の各サイトにおけるセンサの分類です。目的や機能ごとに分かれているので、センサを選ぶ際の参考にして下さい(各店舗の各センサのページへリンクしています)。




秋月電子

センサ一般
湿度/温度

赤外線センサ
リモコン受光部
紫外線関連

ペーハー(pH)
アルコール/ガス 
方位

千石電商

ホール素子/ホールセンサ 
温度センサー
角速度(ジャイロ)
加速度
距離
圧力
衝撃
曲げ
焦電
サーミスタ
共立エレショップ

感圧
ひずみ/曲げ
温度
湿度

赤外線
紫外線
カラー
超音波
磁気
電流
位置
位置(アクセサリ) 
動き
Sparkfun(米国)

Accelerometer(加速度)
Biometrics(生物測定)
Capacitive(静電容量)
Current(電流)
Flex/Force(曲げ/力)
ID(証明/認証)
IMU/Gyros(慣性力/角速度) 
Infrared(赤外線)
Light/Imaging(光/画像)
Magneto(磁力)
Proximity(距離)
Temperature(温度)
Weather(天候)






その他のショップやセンサについては、このブログページ右側の「ショップリスト」にも記載してあるので参考にして下さい。

11/08/2008

Arduino書籍:「Making Things Talk」日本語版

『Making Things Talk--Arduinoで作る「会話」するモノたち』(日本語版)が発売されるそうです。

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Processing ドラッグした図形の動きを記録/保存/再生する

Processing画面上の図形をマウスでドラッグし、その動きを記録する方法、記録した内容をテキストデータとして外部に保存する方法、さらにそのテキストデータを読み取って動きを再生させるサンプルです。

まずは、ドラッグする図形を円とした場合のプログラムから始めます。今回はmouseDragged()は使わず、startDragというフラグを用意し、mousePressed()でドラッグ開始(startDrag=true)、mouseReleased()でドラッグ終了(startDrag=false)とみなす方法を用います。
円の中心座標から少しずれた位置にマウスを合わせてそのままドラッグできるように、円の中心座標とマウス座標の差分を計算しておき、その差分を足した値を最終的に円の座標に反映されるようにします。
また、dist()を使って円の中心座標からマウス座標までの距離を計算し、その距離が円の半径以内であれば円の上にマウスがあることとみなしてドラッグ可能にします。dist()は、dist(x1,y1,x2,y2)のように(x1,y1)と(x2,y2)の二点間の距離を計算します。


「円をドラッグする」:

 [プログラムを表示]



「円をドラッグ+記録機能」:
上記プログラムに、ドラッグした円の動き(連続する座標値)を記録する機能を付け加えます(以下のプログラム)。「r」キーを押すことで記録開始にします。再度「r」キーを押すと記録停止するようにし、記録中は円の塗色を赤に変化させます。プログラム的には、recordStartというフラグを用意し、記録開始/停止を判別できるようにします。xPosとyPosという座標を記録するための配列を用意しておき、記録中はそれらの配列に座標値を付け加えていきます。
赤文字の部分が付け足したプログラムです。

 [プログラムを表示]


xPos={}というように空の配列をはじめに用意しておき、append()を使って変化する座標値を配列xPosに付け加えていきます。よって、配列xPosに含まれる要素は、記録されるごとに増えていきます。xPos.lengthを用いれば、記録された配列内の座標の個数を調べることができます。
記録停止しているときに「r」キーが押されればstartRecord=trueにし、逆に記録停止しているときに押されれば、startRecord=falseに切り替えられるように、フラグstartRecordを使い分けます。


「円をドラッグ+記録機能+保存機能」:
さらに以下では、記録された内容をテキストファイルとして外部保存する機能と記録した座標値を消去する機能を付け足します(赤い文字部分)。「r」キーで記録、「s」キーでファイル保存、「c」キーで記録内容を消去することにします。

 [プログラムを表示]


上記プログラムでは、printWriterを使って外部ファイルとして座標値データを保存しています。「s」キーを押すとselectOutput()によってダイアローグ画面が現れるので、保存名と保存先を指定します。「positions.txt」のように、「.txt」の拡張子をつけて任意の場所(デスクトップなど)に保存します。再度上書き保存する場合は、ダイアローグ画面上で、同じファイルを選択し保存ボタンを押します(上書き保存の確認メッセージが現れます)。


「円をドラッグ+記録機能+保存機能+再生機能」:
次に、記録された内容や保存された内容のデータを読み取り、そのデータに基づいて動きを再生するプログラムをします。再生中は円の塗色が緑に変化し、再生終了すれば黒に戻ります。
まず、「r」キーを押して記録開始し、マウスで円をドラッグします(ドラッグ記録中)。
次に再度「r」キーを押して記録を停止します。
記録された内容を再生するために、「p」キーを押します。動きが再生されている間は円が緑色になります。
「s」キーを押すことで、記録内容を外部ファイルとしてデスクトップなどの任意の場所にファイル名(拡張子「.txt」)をつけて保存します。
「s」キーで保存されたファイルを読み込むには、「l」(小文字のエル)キーを押してファイル選択画面の中でファイル選択します。読み込んだファイルのデータは配列xPosとyPosに記憶されます。「p」キーを押せば、読み込んだ記録を再生します。
「c」キーによって、配列内のデータを空にしないかぎり、「r」キーによる記録した座標値は追加されていきます。

「各キーの機能割当」:
r:記録開始(record)/記録停止
c:記録消去(clear)
s:保存(save)
l:ファイル読み込み(load)
p:再生(play)

赤文字部分がさらに追加した再生機能の内容です。

 [プログラムを表示]


「p」キーを押すことで、再生用フラグstartPlayがtrueになり、ループ内で再生用の処理が行われます。変数countを用意しループするごとにcountを+1ずつ増加させ、配列内の座標データをひとつずつ円の座標に代入していきます。配列内のデータ数をxPos.lengthで調べ、最後のデータまで読み込んだら再生用フラグstartPlayをfalseにし再生停止させます。
「l」キーを押し、selectInput()によってファイル選択画面が現れ、保存したファイルを選択します。選択したファイル内のデータをloadStrings()によって、「X座標値+コンマ+Y座標値」という一行ずつの文字列をsplit()でコンマ記号を境目として二つのデータに分けて、同時にそれら文字列をint()で整数化し、append()によって座標用の配列xPosとyPosに追加していきます(代入する前にxPosとyPosを空の配列にしておきます)。

誤作動が起こらないように、再生中はキー入力を禁止したり、読み込まれるファイルが相応しくない場合の例外処理などが実際には必要になりますが、今回のプログラムでは省略しています。

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