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2008年用ですが、部分的に内容を更新しています(2010/06/14)。
また、[建築農業工作ゼミ2009-2010]とも連動していますので、そちらにも幾つかサンプルがあります。
:

6/08/2008

Arduino サーボ制御



サーボモータは、信号を送ると指定した角度まで回転するので、ロボットの間接部分にもよく用いられています。通常のアナログサーボであれば、回転角の範囲は0〜180度程度です。種類によっては、回転範囲が180度以下のものや、360度回転(連続回転サーボ、あるいは0〜360度の範囲で回転するサーボ180度のサーボを改造する例、もうひとつの改造例)するものもありますが、今回は180度の回転が可能な一般的なサーボを制御します。サーボもDCモータ同様、Arduino基盤に対しては過電流となる恐れがあるので、別電源を用意したほうが無難ですが、一つくらいであれば直接つないでもそれほど問題でないでしょう。
サーボには大抵5V線(赤)、GND線(黒)、信号線(白)の3つの線があります。そのままArduino基盤につなぐ場合、5V線、GND線をそれぞれ基盤の5V端子、GND端子へ接続し、信号線をPWM端子へつないでanalogWrite()で制御することができます。



analogWrite()で動かす方法:(動くけど多少不安定)
今回はPWM端子である3番ピンにサーボの信号線を接続し、可変抵抗器で操作します。可変抵抗器からのanalogRead()による読み取り値0〜1023を4で割って、0〜255の範囲にスケールダウンします。analogWrite()は0〜255の値を出力しますが、サーボの動作角度においてはおよそ0〜180度に対応します。例えば、出力値を127としてanalogWrite(3,127)であれば、約90度のところで停止します。パルス信号の性質上、1ループを約20ミリ秒にすると動きが安定します。そのために、delay(20)を最後に加えておきます。

Arduinoのプログラム:

void setup(){
//特になし
}

void loop(){
//可変抵抗器の値を読み込み4で割る
int val=analogRead(0)/4;
//アナログ出力
analogWrite(3,val); //0~255
//0.05秒ループにする
delay(20);
}


analogWrite()が0〜255なので、180度の回転範囲を256段階の分解能で出力できるということになります。ただし、この方法だとガタガタと不安定な動きになるかもしれませんので、以下の方法をおすすめします。


ライブラリを利用する方法(Arduino0018):
Arduino0016まではPWMの9番ピンと10番ピンだけにサーボを接続可能でしたが、Arduino0017以降では、ソフトに含まれているライブラリを使うことで最大12個まで接続可能です(Megaの場合最大48個)。
ただし、このライブラリを使用すると9~10番ピンのPWM機能は使えなくなります(Megaの場合は12~23ピンをサーボに使用すると11~12ピンのPWMが機能しなくなります)。つまり、サーボとanalogWrite()を同時に使うプログラムの場合は、analogWrite()に使用するピンとして9~10のピンを避ける必要があります。
「メニューバー>Sketch>Import Library...>Servo」を選択すると「#include <Servo.h>」が自動的に挿入されライブラリを使用可能にします。以下はArduino0018に内包されているServoライブラリの使用例です。attach()でサーボを接続するピンを指定し、write()で0~180の角度の値(整数値)をいれます。プログラム内でmap()を使っていますが、センサから読み込まれる値val(変数)の範囲0~1023をサーボの角度出力値0~180度に変換する方法です。


#include <Servo.h>

Servo servo;//サーボのインスタンス

void setup(){
//サーボの信号線を3番ピンに接続
//(PWMピン以外のピンにも接続可)
servo.attach(3);
}

void loop(){
//センサの読み取り値
int val=analogRead(0);
//map()を使って0~1023のセンサ読取り値を0~180の角度に変換
int deg=map(val,0,1023,0,180);
//サーボ出力
servo.write(deg);//0~180まで
}



精度をあげて制御する方法:writeMicroseconds()を使う
write()を使う方法は0~180度を180段階の分解能でしか角度設定できませんが、新たに加わった機能writeMicroseconds()によって、より細かく角度を設定することが可能です。この場合サーボにパルス(パルス幅)の値を送って角度を決定します。
例えば:

writeMicroseconds(500)で0度
writeMicroseconds(1500)で90度(中間位置)
writeMicroseconds(2500)で180度

という感じになります。つまり0~180度の範囲を500~2500の範囲に変換すればいいことになります。
しかし、サーボによって受け入れるパルス幅が異なるので仕様書などで確認してください。
各サーボの最小値や最大値を超えたパルスを送ってもそれ以上回転しないか、負荷を与えることにもなるので注意して下さい。
ちなみに、
servo.attach(ピン番号,最小パルス幅,最大パルス幅);
というように()内に3つの値をいれることができます。最小パルス幅はデフォルトでは544、最大パルス幅は2400に設定されているようです。これらの値で動く範囲を調節できます。


#include <Servo.h>

Servo servo;//サーボのインスタンス

void setup(){
//サーボの信号線を3番ピンに接続
//(PWMピン以外のピンにも接続可)
servo.attach(3);
}

void loop(){
//センサからの読取り値
int val=analogRead(0);//0~1023
//map()を使って0~1023を544~2400に変換
int pulseWidth=map(val,0,1023,544,2400);
//サーボ出力
servo.writeMicroseconds(pulseWidth);//変換したパルス幅値を代入:544~2400
}


上記プログラムでは、writeMicroseconds()を使うことで、0~180度の範囲を544~2400の範囲の分解能で動かすことができます(180度の範囲を2400-544=1856分解能、約0.1度単位で角度を調節可能)。上の場合はanalogRead()を使っているので、その精度に左右されます(つまり1024分解能)。


以下は2008までの内容です。参考までに。

その他のライブラリの使用例:
ArduinoのPlaygroundというサイトには、サーボのライブラリがあります。このライブラリをダウンロードして、Arduinoのフォルダ内にあるlibraries(Arduino-0011>hardware>libraries)に入れれば、Arduinoの画面のメニューバー>sketch>Import Library>Servoを選んで利用することができます(#include <Servo.h>という一文が自動的に書き込まれます)。このライブラリを利用すれば、PWM端子以外のピンにもサーボを接続することができます。servo.write()の()内に0〜180の整数値を入れることで角度を制御するので、分解能は180(1度ずつ)となります。analogRead()の0〜1023の値に0.176を掛けて出力値を0〜180にスケールダウンします。小数点の計算なのでfloat型の変数valにしてから、servo.write()の()内にint()を用いて整数化しています。最後のServo::refresh()を、周期が20ミリ秒以下にならないように、少なくとも50ミリ秒に一回は呼び出す必要があります。

#include <Servo.h>

Servo servo;

void setup(){
//サーボの信号線を3番ピンに接続
//(PWMピン以外のピンにも接続可)
servo.attach(3);
}

void loop(){
//読み取り値をスケールダウン
float val=analogRead(0)*0.176;
//サーボ出力
servo.write(int(val));
//周期を更新
Servo::refresh();
}




パルスをつくって制御する方法:
analogRead()の読み取り値である0〜1023の1024段階で制御する方法があります。この場合は、プログラム上でdigitalWrite()のHIGHとLOWを交互に出力するパルスを生成して制御します。HIGHの継続時間とLOWの継続時間の合計が、パルスの周期である約20ミリ秒(20000マイクロ秒)になります。delayMicroseconds()で、HIGHとLOWの継続時間を変化させるプログラムで、サーボの動作角度を制御します。一般的なサーボにおいては、HIGHの継続時間は500〜2500マイクロ秒程度になります。500マイクロ秒で0度、2500マイクロ秒で180度という計算になります。約2000マイクロ秒の振り幅があるので、analogRead()で読み取った値を2倍するとほぼ0〜180度を1024段階の分解能で表現できます。digitalWrite()を使うのでPWM以外のピンにもサーボを接続することができます。

void setup(){
//パルス出力ピンの設定
//(デジタル出力なのでどのピンでも可)
pinMode(3,OUTPUT);
}
void loop(){
//可変抵抗器の読み込み値を2倍にする(振幅値:約2000)
int val=analogRead(0)*2;
//パルス:HIGHを出力
digitalWrite(3,HIGH);
//パルス最小値を500としvalを代入
delayMicroseconds(val+500);
//パルス:LOWを出力
digitalWrite(3,LOW);
//HIGHの継続時間を差引いて周期を20000usに調整
delayMicroseconds(10000-(val+500));
delayMicroseconds(10000);
}

パルスの周期は20000マイクロ秒なので、LOWの継続時間は20000マイクロ秒からHIGHの継続時間を差し引いた時間となります。尚、delayMicroseconds()の()内に入れられる最大値は16383なので(精度を保つことができる最大値)、20000-(val+500)とは書かずに、10000-(val+500)と10000に分けて書いてあります。


サーボによっては、パルスの最小値や最大値あるいは振幅値が多少異なるので、正確に制御したい場合はデータシートを参照するか、サーボごとにテストしてみる必要があります。


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3 件のコメント:

シュリンターザー さんのコメント...

RC ブラシモーター制御のPWM信号を
RC ブラシレス コントローラー用
サーボPWM信号に 変換する
方法が良く判らず困っております。
ブラシモーターは 4機あります。
Arduino1台で4機の信号を読み取り
4つのサーボ信号に 変換するプログラム
少し 教えていただけませんか。
サーボ制御の 可変抵抗の信号の変わりに
モーター制御のPWM信号を入力するには
どうするのでしょう教えてください。

mirrorn さんのコメント...

このサイトに説明がありますがどうでしょう?
http://www.ouk.co.jp/yano/heli/orc01/index.html
ArduinoServoライブラリのwriteMicroseconds()を使えば可能だと思います。
ブラシレスモータの出力としては:
20ms周期で1~2msのHIGHを与えることで停止から最高速までを制御できるようですから、自前でdigitalWrite()とdelayMicroseconds()を使ってパルスのタイミングを制御することになると思います。

Arduinoへの入力信号に関しては、通常のPWM信号であれば、可変抵抗と同様アナログ入力ピンに接続して読み込むことはできると思います(GND線はArduinoと共有で)。

匿名 さんのコメント...

サーボ最初のスケッチ、最後の行
delay(20);
はあっても無くても、またどんな数値を入れても
出力波形に変化はなく、標準的な20msにならないが。

この記述実験して書いたのか?



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